理事長のつぶやき

2024年を振り返って

こどもソーシャルワークセンターブログ毎年恒例の理事長による一年間の振り返りです。リニューアルされたホームページ(ブログ)としては、初の一年の振り返り投稿ですが、過去のブログにある毎年の振り返り投稿を読み返すとm日頃意識しない長いスパンでのこどもソーシャルワークセンターの変化を知ることが出来るので、旧ブログの「理事長のつぶやき」のリンクを張っておきます。

旧ブログ理事長のつぶやき

さて2024年の振り返り、日常の様々なセンター内での活動は、安定したスタッフとボランティアのおかげで、新しいこども若者も増えていますが、毎日居場所活動を提供出来ています。その一方で、ピア活動の難しさを感じた一年だったように思えます。こどもソーシャルワークセンターでは「こども若者たちと共に活動をつくりだす」「こども若者の声に耳を傾けること」を大事に活動を展開しています。家庭や学校などで様々な課題を抱えた経験のある若者たちに、その経験を生かしたピア活動を展開することを重視してきました。しかしピア活動(特に事業として行うもの)そのものが時としてこども若者の負担になったり、自分の経験したことに対する思いが強すぎることでNPOとしての限界や枠が見えてしまうことでの葛藤を生み出しているようにも思えます。

こどもソーシャルワークセンターのめざすまちや社会は、なるだけ支援者と支援をうける人との線引きがない、こどもや若者に支援のためのラベルをつけないことにこだわってきました。しかし全く支援者と支援をうけるこども若者やその家庭がフラットになるのもまた違うと思っています。ソーシャルワークと呼ばれる福祉支援の醍醐味に「ジレンマ」があります。まさに2024年のピア活動は、そのジレンマを感じることが多い年だったからこそ、来年からはピア活動で起こってくるジレンマに向き合っていこうと考えています。

さて2024年の大きな活動の特色としては、センター内の活動にとどまらずネットワークの活動を今まで以上に重視した年となりました。ただネットワークとなるとどうしても、「社会課題型」「事業型」のネットワークになりがちです。こどもの貧困解消のためのネットワーク、不登校などのこどもの多様な学びのためのネットワーク、こども虐待防止のためのネットワーク、ヤングケアラー支援のためのネットワーク。他にも校内居場所カフェなど事業系のネットワーク、また最近ではセンターの基幹事業である「こどもの居場所」も国や自治体が応援する施策の一つになりつつあり、新たなネットワークの広がりを感じる分野になってきました。ネットワークは法制度に基づいた行政主導のものから、民間団体のささえあいのネットワークなど形も様々です。またそれぞれのネットワーク構成団体の抱える文化の差もあります。今年は過去一番、ネットワーク関係に関わった年でしたが、同時にその難しさも感じた一年でした。

と、ついつい課題にばかり気にしてしまう今年の振り返りでしたが、日々の活動に目を向けるとこども若者たちの笑顔が絶えない、そしてボランティア自身の居場所にもなっている素敵な活動を展開できたと自負しております。昨年度より成果が求められる大きな民間助成金に頼らなくても運営できる体制づくりを目指しています。今年は新たに4月から比叡山中学校へのスクールソーシャルワーカー派遣をはじめ自主事業による収益も増えてきているのも今大きな成果だったと考えます。

1月より新たにソーシャルワーカースタッフを増員し、残念ながらなかな減ることのない「しんどさを抱えるこども若者」を、まちでささえる活動づくりに励んでいきたいと思います。2025年も引き続き、こどもソーシャルワークセンターの活動を応援してください。

理事長 幸重忠孝

クリスマス会でのクリスマスツリー仮装と謎のテンションのスタッフたち