健康しが活動創出支援事業の報告会レポート
「健康しが活動創出支援事業の報告会」として、夜間中学と地域活動の可能性について考えるイベントを2月22日に開催しました。第1部では夜間中学を舞台にしたドキュメンタリー映画「こんばんはⅡ」を鑑賞し、夜間中学関係者によるおはなし会では、滋賀県初の夜間中学立ち上げに協力してくださった、夜間中学を設置している川崎市立西中原中の校長を務めた安部賢一・神奈川大特任教授に夜間中学の現状や可能性についてお話していただきました。また、福島県の自主夜間中学の運営に携わっている大谷一代さんにもオンラインで登壇していただき安部教授との対談を行いました。大谷さんは東日本大震災の際も避難所や仮設住宅を回り、こどもが学習する場を設けていたことや、公立夜間中学の開設に向けた取り組み、自主夜間中学の運営に至るまでのお話をしていただきました。
第2部では、理事長の幸重が「生きづらさを抱える若者たちと夜間中学」をテーマとして、実際に湖南市の夜間中学に通うことに至った若者の話を中心にお話ししました。参加していただいた方からは、若者のリアルな背景を知り、夜間中学の必要性や重要性について考えさせられたという声をいただきました。
第3部では、実習生が進行を務め、夜間中学と地域活動のコラボの可能性を考えるワークショップを行いました。「夜間中学対象の子が入学するためのサポート」、「入学した学生に対する地域サポート」についてという2つのテーマでグループワークを行い、参加者同士でアイデアを出し合いました。
1つ目のテーマでは、家族や友人の存在、こども食堂、民生委員や行政の相談窓口といった、地域の応援団になるような社会資源を用いたサポート方法を話し合いました。具体的には、こども食堂や校内居場所カフェといったこども・若者があつまる場所から、夜間中学の情報を発信すること。また、不登校などで形式卒業となってしまう中学生に対して、学校側が夜間中学を選択肢の 1つとして学生に提示することができればよいのではないかといった意見が出ました。
2つ目のテーマでは、学校に通い続ける為には安心できる居場所が必要不可欠であることや、インターネットでの掲示板を用いた先生や生徒同士交流の場を作ること、スクールバスなど送迎サービス、こども食堂との連携など様々なアイディアをいただきました。
このワークショップでいただいたアイディアは、助成先でもある県にも報告させていただき、生きづらさを抱えた若者の支援に役立てていきたいと考えています。ありがとうございました。