2025年をふりかえって
今年もやってきました。こどもソーシャルワークセンターブログ、毎年恒例の理事長による一年間の振り返り投稿です。今年の年末はあとでも触れますが、こどもソーシャルワークセンター初の全国規模のイベント「10代ヤングケアラー合宿キャンプ」を開催したこともあって、年を越す実感がないまま2024年の大晦日を迎えています。
今年の大きなトピックは、先ほど紹介したキャンプもその一つですが、こども家庭庁の補助事業である「ヤングケアラー相互ネットワーク形成推進事業」を実施することになったことです。大津市でのこどもの居場所の取り組み、滋賀県でのヤングケアラー支援の取り組みとモデル事業づくりのエリアが広がってきましたが、ついに全国規模でのモデル事業をつくることになったのは、日々こどもソーシャルワークセンターが大事にしていることが、国レベルで評価を受けるまでになったのかとちょっと驚いています。もちろん、はじまったばかりの取り組みなので、国レベルの期待が継続されていくかはわかりませんが、こども若者の声をキャッチする現場からモデル事業をつくって、国(社会)へ広げるボトムアップ型のソーシャルアクションをすすめていきたいと思います。
日々の支援現場では、今年は特に二つの変化があったと思います。中堅のソーシャルワーカーを雇用することが出来たこともあり、今までなかなか手がつきにくかった長期に渡る20代の若者たちに丁寧なケースワークを行うことが出来ました。特に滋賀県初の「夜間中学」にセンターの若者たちをつないでいくことでの学び直しの機会をつくったり、若者たちのキャリア支援と呼ばれる生活支援を行い、センターで十年近く支援している若者二人が、新たな家庭を築くなど変化を与えるきっかけを提供することが出来ました。
もう一つは滋賀県のヤングケアラーの体験活動・配食活動で支援するこども若者たちの数が三十名を超え、月一回の支援では追いつかないため2025年度下半期から月二回のペースで提供するようになってきました。このように活動が増えていっていますが、今年は職員の入れ替わりが多い年になってしまったため、長期的に職員雇用できる体制づくり(育児しながら働ける仕組みづくりや退職金制度づくりなど)も行って組織基盤強化にも務めました。
ありがたいことに、大津市・滋賀県・国と来年度に向けては公的支援がより広がる方向性が見えていますが、組織をささえる職員体制については未だ見通しが立ちにくい状態が続いています。ミクロ・メゾ・マクロとすべての要素のソーシャルワークに取り組むこどもソーシャルワークセンターでの仕事は、なかなかわかりずらく、特に他での社会人経験がある方には、マニュアルのないこども若者にあわせて行う活動は、どこか働きずらさが生まれてしまうといった課題も見えてきています。
2026年はNPO法人化10周年記念を意識して、この10年を振り返る機会や取り組みも増やしていく予定です。十年間の活動の中でつながってきたこども若者たち、ボランティア、応援団のみなさんと共に、このこどもソーシャルワークセンターの役割や意味を振り返るそんな年に来年はしていきたいと思います。
とりあえず年明けから年度末にかけて、未だにつくっていない「法人ロゴ」を発表したいと思っています。それでは2026年もこどもソーシャルワークセンターの活動を見守ってください。
理事長 幸重忠孝

