ヤングケアラー支援

ヤングケアラー若者合宿

ヤングケアラー事業の活動として、3月26日~27日にヤングケアラー当事者の高校生~20代が参加する若者合宿を実施しました。今年度は夏に続いての2回目になりました。

今年度は、ヤングケアラーの小中学生を楽しいお出かけに連れていく「体験活動」を月1回行ってきましたが、若者ケアラーもピアサポーターとして参加してくれていました。今回の合宿では今までの活動を振り返りつつ、新年度からどんな活動をしていくかを若者たちと一緒に話し合いました。

1日目のプログラムでは、写真を見ながら1年間の活動を思い出して語らいあった後に、4月以降の体験活動で、自分たちと同じような境遇のこどもたちをどんなところへ連れていってあげたいか、また自分がこども時代に行きたかったところ・やってみたかったこと、について案を出しあいました。普段は自分が遊びに来る側として参加している高校生も多いので、自分たちが活動を企画する側になるプログラムにどれだけ乗ってくれるか心配でしたが、「ここやったら小学生でも楽しめるんじゃない?」「こんなとこあるみたい!」「ここやったら自分も行ってみたいな~」とどんどん意見を出してくれました。4月からの活動にサポーターとして参加するイメージを持ってくれたように思います。

2日目のプログラムは、新年度から新たに始めるラジオ企画について。同じようなケアラー経験をしている若者たちでつながれるラジオにしたいという目的のもと、具体的に発信していく内容として、合宿メンバーがもし自分たちの経験を(話せる・話したい範囲で)話すならどんなトークテーマで話せるか?を付箋に書き出していくワークをしました。みなそれぞれ似ているようで違った経験を持っています。「親がお酒飲んで暴れるから止めてた」「え、私もそうやわ」と共感できるところもあれば、「家が嫌すぎて学校では明るかったから気づかれなかった」「私は夜中寝られなかったから授業中もしんどくて寝てしまってたな」と学校内でのそれぞれの経験が見えるところもありました。周りに話をしたときにも、「『あのね、世界には貧しい人もいてね、あなたよりもっとしんどい人もいるよ』って言われたことあります」と人と比べて受け止めてもらえなかったり、「大変だったねって言ってくれても、同じ経験をしたことがない人に言われても何が分かるの?と思ってしまった」と一見共感してもらえたようでも同情としか思えないという意見もありました。”ヤングケアラー”は幅広いからこそ、いろんな話が飛び出し、テーマによって多面的に切り分けることができそうでした。

もちろん合宿として楽しむところは楽しんで、夜中まで恋バナを語り合ったり最近家であったことを報告したりボードゲームをしたりと元気いっぱい満喫しました。最後は浜辺に出てお昼ごはんを食べて、記念撮影!こんな瞬間は、若者世代の子たちでもこどもっぽく純粋に楽しんでいるのがよく伝わります。若者自身も家でいろんな事情を抱える子たちなので、家から離れてのんびり過ごす時間はとても大事です。

ピアサポーター同士での交流の場ももちつつ、若者ケアラーがヤングケアラーなこどもたちを楽しいお出かけに連れていく活動は、新年度からも続けていく予定です。今回の合宿で出た案をピアサポーターたちと一緒に計画していきたいと思います!